チームについて 主な活動について 東京から「言葉の力」を再生する




「言葉の力」再生プロジェクト / 「活字離れ」対策検討チームについて

東京都では、近年、いわゆる「活字離れ」が社会問題となっていることから、猪瀬副知事をリーダーとした局横断的な「『活字離れ』対策検討チーム」を立ち上げ、活字の大切さを改めて見直すとともに、世界基準とされる「言語力」の向上を通じて、世界で活躍できる若者を育成すべく、「言葉の力」再生プロジェクトを実施しています。

「活字離れ」対策検討チームの構成

リーダー
猪瀬直樹副知事
構成局
知事本局、財務局、生活文化局、教育庁

チーム構成員

  • 猪瀬副知事
  • 知事本局政策部長
  • 知事本局政策担当部長
  • 知事本局政策部政策担当課長
  • 財務局調整担当部長
  • 財務局主計部財政担当課長
  • 生活文化局文化振興部長
  • 生活文化局文化振興部企画調整課長
  • 生活文化局文化振興部文化政策担当課長
  • 教育庁地域教育支援部長
  • 教育庁地域教育支援部管理課長
  • 教育庁指導部指導企画課長

■ 「言葉の力」再生プロジェクトに関する石原知事の発言【抜粋・概要】

1 「活字離れ」対策検討チームの発足について (石原知事定例記者会見録 平成22(2010)年4月16日)

 近年、「読書」の時間が減少しており、いわゆる、「活字離れ」が社会問題となっています。
これまで、人間は、書籍を読むことを通じて、自ら考える力を養ってきました。しかし、急激にメディアが多様化し、「読書」をめぐる環境が大きく変貌したことで、「ものを考える力」が弱まっています。
 この問題については、これまでも内部で検討してきましたが、新たに局横断的な検討チームを設置し、各界の専門家からの意見も踏まえ対応することとしました。
 検討チームのリーダーは、自分と同じ作家として、この問題に高い関心を持っている猪瀬副知事に担当してもらいます。
 現代に生きる我々だけでなく、将来を担う子どもたちのためにも、今までにない鋭い視点から問題の本質を解明し、実行力のある対策を検討してもらいたいと思っています。

2 若者の活字離れ対策について (平成22年第二回都議会定例会知事所信表明 平成22(2010)年6月1日)

 人間は、書籍を読むことを通じて自分で考える力を養ってきましたが、現在、若者の生活の中で読書の占める割合が著しく低下しております。また、通信手段やIT技術の進歩は、瞬時に世界中とアクセスすることを可能にしましたが、多くの若者が氾濫する情報に溺れ、その分析・判断も他人の情報に頼るようになりました。そのために物事を深く思索できなくなり、主体的な価値判断に自信が持てなくなっております。
 こうした背景を持ついわゆる「活字離れ」について、専門家の英知も集めながらその本質を解明し、若者が人生を生きていくための根源的な力を養う手立てを講じてまいります。

3 「すてきな言葉と出会う祭典」について (石原知事定例記者会見録 平成22(2010)年10月29日)

 今年の4月から、猪瀬(直樹)副知事をリーダーとして「活字離れ対策」に取り組んでいますが、その取組の一環として、11月3日の文化の日に、読書と言葉をテーマにしたイベント「すてきな言葉と出会う祭典」を東京国際フォーラムで開催します。イベントポスターは、皆さんご存じの、世界中で活躍しているポップアーティストの村上隆氏が、趣旨に賛同して作製をしてくれました。村上さんには、イベントにも参加していただきます。
 さらに、大学生が、自分が読んで感銘を受けた、自分のお勧め本を、自分の言葉で語って、会場の皆さんで、それを聞いて、それなら読んでみようということで「一番読みたくなった本」を決める。新しいタイプの書評合戦「ビブリオバトル」、何語か聞いたがよく分からない、調べたらラテン語だけれど。その「ビブリオバトル」で、この「ビブリオ」というのは「本」という意味らしいです、ラテン語で。初の大学王者を決定するなど、子供から大人まで1日楽しめる内容となっています。是非、家族揃ってお越しいただきたいものと思います。
 また、家庭の中で読み終えた本を回収して、児童養護施設等に配る「ブックリボン」運動に、全国の自治体で初めて、東京都が協力をいたします。会場で本を回収しますので、ぜひ読み終えて、もう必要なくなった本は、当日、会場に持ってきていただきたいと思います。


4 「言葉の力」再生プロジェクト活動報告書について (石原知事定例記者会見録 平成22(2010)年11月26日)

 猪瀬(直樹)副知事の肝入りで、彼がリーダーになってやってきたことですけれども、この頃、みんな本を読まなくなった。インターネットで色々情報をとれても、分析までほかの情報に頼るみたいな始末ですけれども、相対的に言語力が非常に落ちてきたというのは否めないと思いますが、それを再生しなくてはいけないということで、東京から。
 今年の4月から、猪瀬さんをリーダーとして、「言葉の力」再生プロジェクトを実施してきましたが、本日、これまでの取組と、今後の方向性を取りまとめた、なかなか興味の深い報告書ができました。これまで、新規採用職員向けの言語力研修や、本を読むことや言葉の大切さを考えるイベントを開催するなど、様々な取組を行ってきましたが、今後は、全ての新規採用職員を対象に言語力研修を行うと共に、都立学校においても言語力を取り入れた授業を展開していきたいと思っています。
 停滞した日本経済に翻弄されて、心理的な一種の「鎖国状態」にある現代の若者たちに対して、「世界基準の言語技術」と、「日本人の感性と情熱」を身に備えることで、東京から「言葉の力」を再生していきたいと、それによって世界で活躍できる若者を育てていきたいと思います。自分の母国語が完璧に習得されてない、母国語による表現力のない人間が、外国語を習ってもしようがないわけですから。なお、この100ページに渡る報告書ですけれど、なかなか内容が面白いんです。都庁のホームページで閲覧することができますので、どうぞ、多くの方々にひとつ活用していただきたいと思います。


5 次世代を逞しく育てる (平成22年第四回都議会定例会知事所信表明 平成22(2010)年11月30日)

 子育てを社会全体で支えながら、次代を担う若者を逞しく育てなければなりません。今日の日本の繁栄は、世界と積極的に交わり、優れた文物を吸収し独自の創意工夫を加えて発展させた歴史の上に築かれております。しかし、現在の若者は、先人の足跡を一向に知らず、豊穣さや便利さに溺れて芯が虚弱でありまして、他者との摩擦・相克への耐性を備えていないため、人と交わることを避け、まして激しい議論はできません。
 これでは日本の真の再生は望むべくもなく、若者たちを目覚めさせるため、都立高校で日本の近代史を必須化し、江戸から現代に至る近代化の歴史、文化・伝統を学ばせます。また、公立学校では休み時間や放課後を十二分に活用して体を動かす時間を増やし、部活動も強化するほか、スポーツ祭東京2013や2014年のインターハイを起爆剤にスポーツを振興するなど、体力・気力を鍛え、規範意識を涵養してまいります。
 さらに、成長に応じた豊かな読書体験で知的好奇心や感性を強く刺激しながら、グローバルな時代に必須の論理的思考力や、他者と十二分に意思を交わし豊かな人間関係をも築く言語の技術といった「言葉の力」を身に付けさせてまいります。
 幼少期から本に触れる機会を増やします。学校では言語の技術に関する教員研修を実施して教える側の能力向上を図りつつ、先月初めて実施した都独自の読み解く力に関する学力調査の結果を活用して授業を改善いたします。さらに、若者が互いに読書体験を語り合う中から多くの本に出会い視野を広げる場である書評合戦などを通じて、企業や都民との連携をしながら「言葉の力」の重要性を広く社会に浸透させてまいります。
 次代を担う若者が人生を生き抜く根源的な力を身に付け、国際社会で凛とした立ち居振る舞いができるように、国際化・情報化で先端を行く東京から取り組んでまいります。


6 次代を担う力をつける教育 (平成23年第一回都議会定例会知事施政方針表明 平成23(2011)年2月8日)

 日本の未来を託す次の世代を逞しく育てるのは大人たちの責任でありますが、我が国の教育制度は、極めて画一的で、結果の平等をいたずらに追い求め、若者の可能性を潰してきました。「ゆとり教育」の弊害ゆえ、計算も満足にできず、先人の足跡も知らないままではいいはずがありません。教育に求められているのは、一人ひとりの才能を徹底して鍛えて伸ばすことであります。
 これまでも、学力の低下を防ぐべく都独自の学力調査によって小中学校の授業を改善してまいりました。高校については、学区制を廃止し、校長に学校の魅力を競わせたほか、進学指導重点校やエンカレッジスクールなど特色ある学校を作って多様な選択肢を整えました。
 今後も、一人ひとりが持つ可能性を発揮できるよう、土台となる健全な肉体と困難に耐える脳幹を鍛え、確かな学力を養います。
 全公立学校で授業・休み時間・放課後をフルに活用して、児童・生徒が体を動かしスポーツに親しむ時間を大幅に増やし、中学校では武道の必修化を機に我が国の伝統的な考え方を理解させ、礼節を体得させてまいります。
 学力面では、土曜日などを使って授業時間を確保し、基礎学力をさらに向上させるほか、国際化の時代に民族や文化の壁を越えて意思を交わす「言葉の力」の養成にも乗り出します。高校生には我が国の近代化の歴史を学ばせて、日本やふるさとへの誇りと愛着を持たせ、国際社会の一員として活躍する基礎も養ってまいります。


7 世界と戦える力を養う (平成23年第二回都議会定例会知事所信表明 平成23(2011)年6月17日)

 四方を激しい海に囲まれ、外に出て行くことが極めて困難であった日本の国土は、受動的で自己主張が苦手な日本人の性情を形づくってきました。こうした民族的DNAに加え、昨今の若者は過保護に漬かって抵抗力を欠き、ひ弱な内向き志向も見られます。しかし、既に手にした繁栄も空しい夢に終わりかねないこの今、この閉塞を打ち破り国家の希望となり得るのは、若者しかありません。
 世界に飛び出し、摩擦・相克の中で明確に意思表示もしながら、独自の才能を開花させていくような若者こそが、求められております。「かわいい子には旅をさせよ」と言いますが、世界を舞台に活躍する力強い若者を育成すべく、海外武者修行や留学を直接応援する新たな仕組みを構築したいと思います。
 あらゆる摩擦・相克に耐えるためにも、脳幹を鍛えていかなければなりません。その効果的な方法であるスポーツを通じて、若者に成長する喜びを実感させ、強靱な肉体や健全な精神を養ってまいります。
 国際化の時代に必須な論理的思考力や、他者と十二分に意思を交わす言語の技術といった「言葉の力」も身に付けさせます。


8 「書評合戦ビブリオバトル首都決戦2011」について (石原知事定例記者会見録 平成23(2011)年9月30日)

 昨年から、猪瀬(直樹)副知事をリーダーにして「言葉の力の再生プロジェクト」を進めていましたが、その取組の一環として、「書評合戦」、何でも訳の分からない外国語使うんだ。ビブリオバトルって、よく分からないんだ。ラテン語で「本」の、「バトル」はバトルだね。バトルというのは英語で何と言うか、なぜ日本人というのは、こう外国語を使いたがるか。訳が分からない、本当に。
 この「書評合戦ビブリオバトル首都決戦2011」を10月30日、秋葉原でやります。全国の予選を勝ち抜いてきた大学生、大学院生が東京に集まって、自分の読んだ本の魅力を語って、それを聞いて、その会場の聴衆が投票するんでしょう。聞いて「一番読みたくなった本」を選ぶ、新しいタイプの書評合戦だそうで、イベントポスターはここにある、人気のイラストレーターの「わたせせいぞう」さんが作成をしました。昨年行われた第1回目は、首都圏と関西圏を中心に、28の大学から、大学生・大学院生53名が参加して激戦を繰り広げましたが、今年は日本中の大学からこぞって参加していただいて、読書の秋に言葉の力を高めてもらいたい。猪瀬副知事、彼もまた物書きですが、ともにいつも物書き同士で慨嘆するんだけれども、この頃の若い人の言葉が乱れるだけじゃなくて、言葉そのものを知らなくなった。非常に雅びな、日本語の情感豊かな、日本語らしい言葉はいっぱいありますけれども、これが通用しなくなった。必然、そういう言葉を踏まえての議論をしなくなって、文壇なんかでも、ポレミックス(論争)がないんです。私なんか、昔、いわれもない酷評されたら反論して、評論家やっつけたり、やっつけられたり、色々したもんだけれども、そういう議論というんでしょうか、ポレミックスがなくなったですな。若い芸術家に、「何だ、この作品は」とけんか吹っかけても、にやにや笑ってるだけで反論しないね。昔の岡本太郎なんていったら、血相変えて、口とがらせて言っただろうけれども、そういう人が本当に芸術の世界でもいなくなっちゃった。自分に自信がないんですな。そういうことで、若者に言葉というものを、人生の中で高めてもらうためにも、こういう試みを考えたようであります。


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