| 大震災から立ち上がらんとする日本の再生を牽引し、都市のあるべき姿を世界に示す |

かつて宇宙物理学者のホーキング博士は、「地球ほど文明が進んだ星は、自然の循環が狂って、加速度的に不安定となり自滅してしまう」と語りましたが、今日、その兆候は、地球環境の悪化に表象されるように、様々な形で現れているように思います。また、東日本大震災は、文明の便宜を享受してきた都市の生活が、災害に対していかに脆いかを痛烈に示しました。
しかし、文明の進展が人間を追い詰めるという皮肉な状況を打開しうるのもまた人間であります。
東京は、これまで、正当な文明批判の視点から、「10年後の東京」計画を構え、1000ヘクタールの緑の創出や低炭素型都市の実現、災害に強いまちづくり、少子化の打破などに取り組み、21世紀にふさわしい都市の実現を目指してまいりました。
こうした取組をさらに加速させるとともに、東日本大震災により明らかになった防災力の向上やエネルギー政策など新たな課題にも対処すべく、今般「2020年の東京」の姿を描き、その実現に向け、今後3か年の政策展開を示す「2020年の東京」への実行プログラムをあわせて策定しました。
現在、世界の人口は70億人にも達しています。しかも、その半数以上が都市に居住するまでになっております。都市は、文明の光を映し出す一方で、環境問題をはじめ文明の陰の部分が先鋭的に現れる二面性を有しています。まさしく、都市のあり様こそが、人類の未来を決定するといっても過言ではありません。
東京は、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市となるべく名乗りを上げました。日本の首都であり、世界を代表する大都市である東京を、21世紀にふさわしい都市へと進化させていくことは、東日本大震災の痛手から立ち上がらんとする日本の再生を牽引するだけでなく、都市のあるべき姿を世界に示し、人類が抱える共通の問題を解決する縁ともなりうると思います。
もとより「2020年の東京」を実現するには、都民・国民の持てる力を結集しなければなりません。ゆえにも、都民の皆様とともに、この東京から新たな文明の歯車を動かしてまいりたいと思います。東京が先陣を切り行動を起こすことで、日本の未来だけでなく、人類の確かな未来を切り拓いてまいります。 |

平成23(2011)年12月
東京都知事
|
|